
病院やクリニックでは、常に、あらゆる院内の部屋や設備が清潔に保たれていなければなりません。けれども院内のさまざまな場所や設備は、その使用頻度や特性によって、清掃の頻度はまちまちです。ですから、「どの設備をどれくらいの頻度で清掃をすべきか?」ということがわかりづらいでしょう。ここでは、病院内を清掃する頻度別に清掃法について紹介しましょう。
1.毎日清掃することが必要な場所―日常清掃―

病院やクリニックの施設内には、人々が多く利用したり通ったりする場所があります。そのような場所は汚れやすく、ほこりが発生しやすいものです。また多くの人が出入りすることで、菌やウイルスが集まりやすい場所にもなるでしょう。そのような場所は、毎日清掃する必要があります。まずは毎日清掃する必要がある場所について紹介しましょう。
1-1.治療室・処置室
毎日、患者が利用するので、病気であれば、菌やウイルスがもたらされます。また処置室では外科的な手当てや採血・点滴などにより、血液を扱いますので、取り扱いに注意が必要なケースもあります。この場所は毎日清掃を行うことが必要です。
1-2.病室
病人やけがをした人が24時間使用します。ですから、衛生面を徹底しなければならないのは言うまでもありません。病室の中をこまめに清掃・消毒する必要があります。
1-3.廊下
入口から受付、待合室、治療室などをつなぐ廊下は、患者もスタッフもひっきりなしに行き交います。ほこりが発生したり、菌やウイルスが付着したり空気中を漂ったりしやすい場所です。モップによる床の清掃や、壁や手すり、ドアのノブなど、廊下に面する場所の清掃・消毒も効果的です。
1-4.トイレ
入院をしている人、来院した患者、お見舞いに来た人、病院のスタッフなどが毎日使用します。トイレはとくに感染の危険性が高い場所でもあるので、徹底した清掃が求められます。便器・便座・スイッチ・ドアノブ(取っ手)・水道の蛇口などは、清潔でなければなりません。また、密閉された空間でもあるので、室内の空気も換気できるようにしなければなりません。
1-5.ナースステーション
ナースステーションは患者こそ行き来はしませんが、患者と接してきたスタッフ自身や、患者と接する中で使用した書類・記録物・測定器などを保管する場所にもなりますので、衛生面で注意が必要です。そもそも看護師などが働く場所でもあるので、精神的にストレスのない清潔さは必要でしょう。
1-6.エレベーター・手すり
エレベーターは、とくに入院患者、お見舞い客、スタッフが使用します。エレベーターを操作するために、ボタンをさまざまな人が触るので、このような場所を定期的に消毒しましょう。同じように、廊下や階段などに設置されている手すりも、それを伝って歩く高齢者の方やけがをした方がおられます。そこも定期的に消毒をしましょう。
2.数か月に1回―定期清掃―

毎日のようには清掃がなかなかできない場所や、ある程度の期間をおいて清掃を行っても差し支えのない場所、汚れを落とすのが大変な場所の清掃は「定期清掃」と呼ばれる清掃法をとります。
定期清掃を行う場所にもよりますが、2~3か月に1回ほどの頻度で清掃を行います。次に定期清掃を行う箇所について紹介しましょう。
2-1.床のワックスがけ
床自体はモップなどで毎日清掃をするべきです。しかし、床材を衝撃から守ったり品質を保持したりするために定期的にワックスがけをすれば、床もきれいに見える上、長持ちします。頻度に関しては、病院や床材、古さによって異なりますが、2~3か月に1回ほどのペースで行うと良いでしょう。
2-2.窓ガラスの清掃
手の届く場所や低い場所であれば、すぐに清掃できますが、やや高い場所にある所は、定期的に拭くようにしましょう。窓ガラスは、光の取り入れ方にも影響がありますし、汚れが目立つと、利用する時に良い気持ちにはなりません。
2-3.エアコン
エアコンの清掃を怠ると、ほこりや菌が集まり、それが吹き出し口から排出されてしまいます。それにより部屋中にほこりや菌がまき散らされ、非常に不衛生です。また、フィルターなどにほこりがたまることで空調性能が落ち、冷暖房費が高くなってしまいます。清掃をしないデメリットが多いので、1~2年に1度は、フィルターや内部を清掃するようにしましょう。
2-4.照明・ブラインド
清掃をしなければ、徐々にほこりが溜まってきます。適度に拭き掃除をして、きれいにしましょう。
3.必要性を感じればその都度―臨時清掃―

臨時清掃は、清掃する必要性を感じた時点で、突発的に実施する清掃のことをいいます。直接人々が利用するわけではなく、場所も人目に付きにくい、インフラの部分となる場所です。それだけに、細かく注意をしてみる機会が少ないため、悪くなっているのに気づかないケースもあります。清掃の必要性が出てくる場所について紹介しましょう。
3-1.外壁の清掃
外壁は、外観を左右する最も目立つ場所です。時間が経てば、ほこりや塵・カビ・コケなどがこびりついてきて、外見的に古めかしく感じられるようになってしまいます。病院の顔となるわけですから、外壁は清潔できれいな外壁にしたいものです。
3-2.排水管の洗浄作業
建築物衛生法によれば、建物の床面積が3,000平方メートル以上の場合は、「特定建築物」扱いとなり、年2回以上の排水管清掃が推奨されています。ハード面はこのように法律的な取り決めもありますので、それを遵守するようにしましょう。
4.まとめ

病院やクリニックは、さまざまな目的の部屋や設備があり、それらが複雑に配置されています。それに応じて、場所によって清掃の内容や頻度が大きく異なります。普段からこまめに院内を見て、早めに清掃する体制を作っておいた方が後々建物も設備も長持ちし、汚れの少ない清潔感あふれる病院として、利用者に喜ばれることでしょう。
「パイオニアサービス」は、病院やクリニックの清掃を手がけている会社です。病院の清掃についてご検討中のところやお悩みのところがございましたら、何なりとお申し付けください。お悩みを誠心誠意お伺いして、解決させていただきます。