厨房の清掃について

飲食店の厨房はさまざまな調理機器などが設けられているため、適切な清掃を行なえていないお店もあるかもしれません。誤った清掃をしてしまう、見える汚れしか落とさないでは、結果として故障や火災などのトラブルを引き起こす可能性もあります。厨房はお客様から見えないところだからこそ清潔に、さらにトラブルを起こさないためにもしっかり清掃する必要があるのです。

そこで今回の記事では、お客様から信頼してもらうためにも、特にキレイにしなければならない「厨房」の清掃について解説します。厨房を清潔にしておきたいと考えている飲食店の方は、ぜひとも参考にしてみてください。

1.厨房の場所と掃除ポイント

1-1.オイルフィルター

飲食店の調理では多くの油を使用するため、オイルフィルターを設置しているお店が多いでしょう。しかし、オイルフィルターは汚れを放置したままでいると、火災の原因になるリスクがあるのです。フィルターに付着した油分にはホコリが溜まりやすくなるため、調理中に発火する危険性が高くなります。

さらに汚れが付着したままでは、フィルターの排気能力低下を招き、厨房の気温が高くなる原因にもなるのです。そうならないためにも、フィルターを取り外して付着した汚れをブラシで取り除き、アルカリ性洗浄洗剤で掃除をしてからお湯で洗い流してキレイにしましょう。

1-2.グリストラップ

厨房に設置が義務付けられているグリストラップは、油や野菜くずなどのゴミを下水道へ直接流さないためのものです。これによって排水を油分と分けられて流せるため、グリストラップには残飯や野菜くずのゴミが溜まりやすく、悪臭や害虫が発生しやすいポイントにもなります。衛生面を保つためにも、グリストラップ専用の掃除アイテムを使って汚れを落とさなければなりません。

油分を取り除きながら掃除をする必要があるため、専用アイテムを活用しなければ大変な作業になるでしょう。それでも、悪臭などのトラブルを防ぐためには定期的にグリストラップのメンテナンスが重要なのです。

1-3.排水溝や床

調理機器などだけでなく、厨房の排水溝や床はとても汚れやすく、きちんと清掃をしなければ瞬く間にゴミが溜まってしまいます。とくに排水溝にゴミが溜まった状態ならば、悪臭を発生させる原因になりかねません。適当に掃除をしても厨房のしつこい汚れは落ちにくいため、しっかりと汚れを落とさなければ不衛生な環境を作り上げます。

なかなか落ちない汚れには強力な洗剤を用いて、排水溝や床はデッキブラシを使いながら汚れを取り除くことが大切です。

1-4.レンジフード

調理中の換気に欠かせないレンジフードは、使用時間が長くなるため、定期的に掃除してメンテナンスをする必要があります。調理した際に油が気化して煙となり、換気扇に付着して汚れが溜まるケースが多いからです。レンジフードの清掃を怠ると、溜まった油汚れが料理に垂れ落ちる、油汚れに発火するなどの可能性もあります。

レンジフードのファンはもちろんのこと、内部もしっかりと清掃することで、トラブルのリスク軽減につながるのです。

1-5.フライヤー

揚げ物を調理するフライヤーは、大量の油汚れを引き起こす調理器具と言っても過言ではありません。フライヤーによる油汚れをキレイに掃除しなければ、コンロが近くにあると調理中に発火して火災を引き起こす可能性があるからです。油汚れは掃除の中でも落とすのが難しいため、放置して蓄積しないように定期的に清掃しましょう。

火災を防ぐためにも、無駄な油汚れは溜め込まずにしっかり取り除き、フライヤーに引火させないようにすることがポイントです。

1-6.シンクや水まわり

カビの繁殖を引き起こしてしまう「ヌメリ」は、シンクや水まわりに発生しやすいのが特徴です。ヌメリを放置してしまうと、食器に移る、食品にも移るなど、衛生面で悪影響を及ぼす可能性が高くなります。お客様が安心して食事を楽しむためにも、ヌメリ汚れをしっかりと落としましょう。

キレイに掃除をしても、ヌメリは短い期間ですぐに発生してしまうので、定期的に掃除を行うことが大切です。

2.まとめ